Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
お茶を飲んで世間話をした。叔父は帰って来なかった。御殿へ詰め切りだということであった。夜になってようやく帰って来た。その顔色は蒼褪めていた。弓之助は叔父の部屋へ行った。
「毎日ご苦労に存じます」
「おお弓之助か、近ごろどうだ」こうはいったがいつものように、優しく扱かってはくれなかった。いわゆる心ここにあらず、何か全く別のことを、考えているような様子であった。
「これは大事件に相違ない」弓之助は直覚した。「何か大事件でも起こりましたので」顔色を見い見い訊いて見た。
「うん」と甲斐守は物憂そうにいった。「前古未曽有の大事件だ」
「いったいどんなことでございますな?」
「絶対秘密だ。いうことは出来ない」甲斐守は苦り切った。
変な噂は聞かなかったかな?
甲斐守は深沈大度、喜怒容易に色に出さぬ、代表的の役人であった。今度に限ってその甲斐守が、まざまざ憂色を面に現わし、前古未曽有の大事件で、絶対秘密というからには、よほどの事件に相違ない。弓之助の好奇心は膨れ上がった。しかし甲斐守の性質として、一旦いわぬといったからには、金輪際口を開かぬものと、諦めなければならなかった。