Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
隣家の誼みも今日限り
「みんなこの私のさせる業じゃ」
「ははア、さようでござりましたかな」
「どうも彼奴は乱暴で困る」
「さして乱暴とも見えませぬが……」
「私を泥棒じゃと吐しおる」
「なるほど、それは不届き千万」
「今私は追われている」
「それはお困りでござりましょうな」
「で、どうぞ隠ってくだされ」
「いと易いこと。どうぞこちらへ」
――で、紋太郎は先に立ち自分の部屋へはいって行った。
おりから玄関に訪なう声。
「藪殿藪殿! 御意得たい! 専斎でござる。隣家の専斎で」
「これはこれは専斎殿、その大声は何用でござるな?」
悠々と紋太郎は玄関へ出た。
「賊でござる! 賊がはいってござる!」
医師専斎は血相を変え、弟子や家の者を背後に従え玄関先で怒鳴るのであった。
「拙者の邸へ賊がはいった? それはそれは一大事。ようこそお知らせくだされた。はてさて何を盗んだことやら」
「そうではござらぬ! そうではござらぬ!」
専斎はいよいよ狼狽し、
「賊のはいったは愚老の邸。盗んだものは六歌仙の軸……」
「アッハハハ」とそれを聞くと紋太郎はにわかに哄笑した。「専斎殿、年甲斐もない、何をキョトキョト周章てなさる。