Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
そこで弓之助は一礼し、甲斐守の部屋を出ようとした。
「これ弓之助ちょっと待て、少し聞きたいことがある」甲斐守は急に止めた。
「はい、ご用でございますか」弓之助は座に直った。
「お前は随分道楽者で、盛り場や悪所を歩き廻るそうだな」
「おやおや何んだ、面白くもない。紋切り形の意見かい」弓之助は苦笑したが、
「これはどうも恐れ入ります。はい、さようでございますな。いくらかは道楽も致しますが、決して親や兄弟へは、迷惑などは掛けないつもりで」
「いやいや意見をするのではない。若いうちは遊ぶもよかろう。親父のようにかたくなでは、ろくな出世は出来ないからな。どうだ情婦でも出来ているか」
「おやおやこいつは変梃だぞ。妙な風向きになったものだ。叔父貴としては珍らしい。ははあわかった、手段だな。いわせて置いてとっちめる。ううんこいつに相違ない。町奉行なんか叔父に持つと、油断も隙も出来やあしない。甥に対してさえお白洲式の、訊問法を採るのだからな。構うものか、逆捻を食わせろ」そこで弓之助はニヤニヤした。
「実はね、叔父さん、出来ましたので。茶汲み女ではありますが、どうしてどうして一枚絵にさえ出た、素晴らしい別嬪でございますよ。