Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
二人は顔を見合わせた。
「どうもおかしい」
といったのは、他ならぬ坂東三津太郎である。
「ほんとにこいつ変梃だ」こういったのは小次郎である。
「もう一度お眼を洗おうぜ」
「よかろう」
というと、二人一緒に、ドンとそこへ胡坐をかいた。
二人の前には六歌仙が、在原業平、僧正遍昭、喜撰法師、大友黒主、文屋康秀、小野小町、こういう順序に置いてあったが信輔筆の名筆もズクズクに水に濡れている。
「六つ揃わば眼を洗え。――さあさあ水をかけるがいい」
「承わる」
と小次郎は、傍の土瓶を取り上げた。
六歌仙の眼へ水を注ぐ。と、不思議にも朦朧と各※(二の字点、1-2-22)の絵の右の眼へ一つずつ文字が現われた。
業平の眼へは「宝」の字が、遍昭の眼へは「隆」の字が、喜撰の眼へは「寺」の字が、黒主の眼へは「西」の字が、康秀の眼へは「一」の字が、そうして最後に小町の眼へは「町」という字があらわれた。
「やはりそうだ。間違いはない。――宝隆寺西一町。――この通りちゃアんとあらわれている。……そうしてここは宝隆寺から西一町の地点なんだ」
貧乏神の扮装をした坂東三津太郎はこう云うと元気を起こして立ち上がった。