Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
そこへこれも取り巻の二朱判吉兵衛が現われたので、にわかに座敷が騒がしくなった。
「やい、吉兵衛、よく来られたの!」
奈良茂の癇癪は吉兵衛を見ると一時にカッと燃え上がった。
「誰か吉兵衛を引っ捉えろ!」奈良茂は自分で立ち上がった。
「早く剃刀を持って来い! 彼奴を坊主に剥いてやる!」
吉兵衛は大形に頭を抱え座敷をゴロゴロ転がりながら、さも悲しそうに叫ぶのであった。
「お助けお助け! どうぞお助け! 髪を剃られてなるものか! ハテ皆様も見ておらずとお執成しくだされてもよかりそうなものじゃ!」
「やい、これ、吉兵衛の二心め! よも忘れてはいまいがな! 今年の一月京町の揚屋で俺が雪見をしていたら、紀文の指図で雪の上へ小判をバラバラばら蒔いて争い拾う人達の下駄でせっかくの雪を泥にしたのは、吉兵衛貴様の仕業でないか。その日から今日まで気が射すかして、一度も顔を見せなかったので、怨みを晴らす折りもなかったが、今日捉えたからは百年目、どうでも坊主にせにゃならぬ! さあさあ皆、吉兵衛めを動かぬように抑えてくれ。俺が自分で手を下ろしてクリクリ坊主にひん剥いてやる!」
四