Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
厩橋を南に渡りやがて本所へ差しかかった。
と、先頭の若衆が、ピタリと足を止めたものである。三人は顔を見合わせた。それから蝙蝠の飛んだかのように、人家の一つの表戸へ三人ながら身を寄せた。月光を軒が遮るのか、三人の潜んだその辺は、烏羽玉の闇に閉ざされている。
その時、往来の遙かあなたから、一団の人影が現われたが、女乗り物を真ん中にしてタッタッタッと進んで来る。近寄るままよく見れば白縮緬で顔を隠した十人の武士の群れであった。
白縮緬の一群は、四方に眼を配りながら、人家の前を悠々と今まさに通り過ぎようとした。
つとその行く手を遮ったのは紅縮緬の若衆である。
「その駕籠止めい!」
と、絹を裂くような声。
乗り物はタタと後へ引いた。十人の武士はその周囲をグルリと囲んで立ち止まった。いずれも刀へ手を掛けている。
「やあ汝は紅縮緬組の杜鵑之介とかいう奴よな。しつこくまたもや現われて、止めだてするとは無礼の痴人! とくそこを退け! 退きおろう!」
「痴人というのはそち達がことじゃ。先夜上野の山下で初めて汝らに巡り合い滾々不心得を訓したにも拘わらず、今夜再び現われ出で、押し借りの悪行を働くとは天を恐れぬ業人ばら。