Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
今宵こそ容赦致さぬぞよ」
若衆の声は凛々と響き、鬼をも挫ぐ勢いがある。
白縮緬の一群は、気を呑まれて一刹那静まったが、権を笠に着て盛り返した。
「この御乗り物に在すお方を、何んと心得て雑言するぞ!」
「女郎一人に犬一匹を、大丈夫たる者が恐れようや。馬鹿な事を!」と、朗らかに、若衆は笑って肩を聳やかす。
「やあ源氏太郎様を犬といったな!」
「犬といったが悪いと申すか。では畜生と申そうかの」
「お犬様を畜生とは吠いたりな!」
「畜生で悪くば獣といおうぞ」
「問答無用、やあ方々、お令を恐れぬ叛逆人を、討ち取り召されい討ち取り召されい!」
「おっ!」と叫いた声の下から、十本の白刃月光を浴びて氷のように閃めいた。
若衆は一歩進み出たが、
「汝ら武士に扮ってはおれど、大奥に仕うる女ばらと見たれば、先夜はわざと峰打ちにして生命ばかりは助けたれど、今宵は一人も遁がさぬぞよ」
刀の束に手を掛けたままじりじりと詰め寄った。若衆一人に詰め寄せられて白縮緬組の十人の者は次第次第に後退さり、既に駕籠から離れようとしたが、いい甲斐なしと思ったか、颯と一人が切り込んで来た。
「天罰!」
と鋭い若衆の声。