Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
「いや昔は面白かった。それに立派な稼ぎ人もいた。庄司甚内、飛沢甚内、俺を加えて三甚内よ。江戸中の心胆を寒からせたものだ。ところがそれから五年経った今日この頃はどうかというに、目星い稼ぎ人は影さえもない」
などと不平を云ったりした。
「そうは云っても五年前よりよくなったことも若干かはある。散在していた風呂屋女を吉原の土地へ一つに集め、駿府の遊女町を持って来たなどは確かに面白い考えだ」
こんなことを云いながら、その吉原の遊女屋へ、自身根気よく通うのであった。
福岡の城主五十二万石、松平美濃守のお邸は霞ヶ関の高台にあったが、勾坂甚内は徒党を率い、新玉の年の寿に酔い痴れている隙を窺い、金蔵を破って黄金を持ち出した。
「いや春先から景気がよいぞ。さあ分配金をくれてやるから、どこへでも行って遊んで来い」
手下どもを追いやってから、自分も重い財布を握り、いつもの癖の一人遊び、ブラリと吉原へやって来た。大門をはいれば中之町、取っ付きの左側が山田宗順の楼、それと向かい合った高楼はこの遊廓の支配役庄司甚右衛門の楼である。
遊里の松の内と来たひにはその賑やかさ沙汰の限りである。