Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
「しかし上様には今日まで、どこにおいででございましたな?」老中水野忠友が聞いた。
「うん、越中の屋敷にいたよ」
「ははあ松平越中守様の?」
「うん、そうだよ、越中の屋敷に」
「どうしてどこからお出になりました?」
「それがな、本当に変梃だったよ。おれが後苑を歩いていると、素的な別嬪が手招きしたものさ。でおれは従いて行った。すると大奥と天主台の間に厳封をした井戸があろう。非常な場合に開くようにと、東照神君から遺言された井戸だ。そこまで行くとその別嬪が、蓋を取ってヒョイとはいった。オヤとおれは驚いて、井戸を覗くと縄梯子がある。井戸ではなくて間道だったのさ。こいつ面白いと思ったので梯子を伝わって下りたものさ。すると底に女がいた。それから五人の男がいた。六部と破落戸と売卜者と、武士と坊主とがいたってわけだ。すぐにおれは取っ掴まってしまった。でおれは仰天して助けてくれーッと叫んだものさ。だがすぐ猿轡を篏められてしまった。そうしてとうとう引っ担がれてしまった。長い間横穴を走ったっけ。それでもとうとう外へ出たよ。駕籠が一挺置いてあった。いやどうもそれが穢い駕籠でな、おれは産まれて初めて乗ったよ。