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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうせんかいじへん

銅銭会事変 短編

国枝 史郎

Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

知行所の百姓は感心じゃ。俺を皆可愛がってくれる。……これは素晴らしい吹矢筒だ。第一大分古い物だ。木肌に脂が沁み込んで鼈甲のように光っている。俺は来る道々験して見たが、百発百中はずれた事がない。嘘だと思うなら見るがよい」

側に置いてある小箱をあけると手製の吹矢を摘み出した。ポンと筒の中へ辷り込ませる。それからそっと障子をあけた。

庭の老松に一羽の烏が伴鳥もなく止まっていたが、真っ黒の姿を陽に輝かせキョロキョロ四辺を見廻している。

紋太郎はろくに狙いもせず筒口へ唇を宛たかと思うと、ヒュ――ッと風を切る音がして一筋の白光空を貫きそれと同時に樹上の鳥はコロリと地面へ転げ落ちた。

いつもながらの精妙の手練に、三右衛門は感に耐えながらも、今は褒めている場合でない。重い溜息を吐くばかりであった。

「二尺八寸の短筒ながらこの素晴らしい威力はどうだ! 携帯に便、外見は上品、有難い獲物を手に入れたぞ」

「米屋薪屋醤油屋へ何んと弁解したものであろう」

「三右衛、何が不足なのじゃ?」

「何も不足はござりませぬが。……金のないのが心配でござります」

「金か、金ならここにある」

紋太郎は懐中へ手を入れるとスルリと胴巻を抜き出した。