Japanische Klassiker mit Furigana
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にしきぎ
錦木
宮本 百合子
Lesen Sie 錦木 (にしきぎ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.481 Zeichen · 103 Bildschirme
「どうなすった? この御人形のような御方、今の女は可愛い声と姿をしながら貴方には悪いしらせをしましたね、御きのどくな」
「でも死んだわけでもなしハハハハハ、マア、御あきらめあそばせ」
なぐさめるように、また馬鹿にするように云う。
光君はだまったまま只頭をふって居る。かおはまっかになって目はうるんで居る。兄君は又そうっと手をはなして女君とかおを見合わして押出したように笑って居る。
「もう来ないときまった人をまって居ても甲斐のないことだから始めようじゃあありませんか」
光君は人が口をきいて居るような心地で云った。
女は今更のようにどよめきたって、居ないと思った女達まで出て来て笑いどよめきながら貝合せをはじめる。光君は他人の手のうごくように夢中で面白味もなくやるのでつづけさまにまける、つづけてまけることはよけい光君の心をいらいらさせるばかりである。女達や兄君は興にのっていつまでもいつまでもつづけて居る。遊びのおわったのはもう灯のついてからよっぽどたってからで有った。
遊びがすんでもまだ光君はどうも居どころがないように思われてしかたがないんで母君の几帳のかげで方坐の上によこになったまま、女の白粉のかおりや、衣ずれの音に夢のように紫の君のことを思って居た、ただ思って居ると云うだけでそれを深く研究するでもなく、自分の心