Japanische Klassiker mit Furigana
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にしきぎ
錦木
宮本 百合子
Lesen Sie 錦木 (にしきぎ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.481 Zeichen · 103 Bildschirme
女達は眉をひそめて、
「どう遊ばしたんでしょう」
「又、何じゃあないんでしょうか」
「妙な御様子ですこと」
などと云い合って居た。乳母は気が気ではなく若しや気でも変になったのではないかと時々いろいろのことをたずねる。
「紫の君はどう遊ばしました」
「また無情くされた」
「又、又でございますかマア何という」
乳母のかおは前にもまして曇った。
「もう私の死ぬのは目の前に迫って居る。私の十八の生命は長くて短かかったネーお前にもいろいろ御世話になった」
話をすれば間違ったことは云わなかった、けれ共夜はすることもなしにボンヤリとおきて坐って居て昼は他わいもなく寝入って居た。そんな日が一週間も綴いた、八日目の日男君はわきに居る女に、
「母君のところから大きな雛を一つかりておいで、女びなを」
せいた調子で云いつける。
女は不思議なかおをして、
「おひな様でございますか、何に遊ばすんでございます」
「何故もって来て呉れないのか、私は死んでしまうから」
こわいきびしい調子で云ったので女は気味をわるがって西の対へ使に行って間もなく美くしいひなを持って来た。女はそれを光君の前に置いて、
「どうあそばします、御手伝いいたしましょう」