Japanische Klassiker mit Furigana
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かぎからぬけだしたおんな
鍵から抜け出した女
海野 十三
Lesen Sie 鍵から抜け出した女 (かぎからぬけだしたおんな) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.188 Zeichen · 43 Bildschirme
僕が蓋を明けましょうかというと、まあ暫くといって止めた。
「これから貴方を変装させるのよ。それですっかり裸になって下さい」
僕は庵主の顔を見たが、諦めて学生服を脱ぎ、それから襯衣を脱ぎ、遂に下帯一つになってしまった。
「さあ、それでいい。……ではこれから着つけにかかります。そこでこれで目隠しをしましょう。すっかり済むまで、貴方に見せたくないのよ」
僕はただ溜息をつくだけだった。どんな大袈裟なことが始まるかしらないが、云うとおり目隠しをする。すると庵主は、それを解いて、もう一度ギュッと縛り直した。――僕はもう何も見えなくなった。ただ鼓膜だけが頼みであった。
「ようございますか――黙ってさせるのよ」
眼が見えなくなると、庵主の円らかな頭は見えず、声だけが聞えた。するとその声だけを聞いていると、庵主は実に若々しい女性であることがハッキリ感じられた。
「おやッ――」
きつい猿股のようなものが履されたと思うと、次には胸のところから踵のところへ届くほどのサラサラした長い布で巻かれた。なんだか、艶めかしいいい香が鼻をうった。そうだ、昨夜もこのような匂いがしたっけ。
「両手をあげてよ、――」