Japanische Klassiker mit Furigana
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かぎ
鍵
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 鍵 (かぎ) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.182 Zeichen · 200 Bildschirme
と云う。「お顔」とは誰のお顔の意味なのかと思う。「来たら私が裏口から外へ出るまで、庭で待っていてほしい。玄関のベルを押してはいけない。出て行かなかったら、都合が悪いのだと察して帰ってほしい」と、電話口でできるだけ小声で答える。十五分後、微かな足音が庭に聞える。病人は依然安らかに鼾ごえを立てている。彼を裏口から上げて女中部屋で三十分ほど話す。………病室へ戻って来ても、まだ鼾ごえが続いていた。………
四月二十一日。………午後一時児玉さん来診。血壓最高一八〇、最低一三六。昨日よりまた少し下ったけれどもなお安心とは云えない。せめて最高が一七〇台に下り、最低との開きが五十以上にならなければと云われる。体温は六度五分でようやく平熱になる。尿も今朝来溲瓶を用い辛うじて排尿するようになる。食慾は相当、持って行けば何でも受け付けるけれども、今のところやや固い目の流動物のみを与える。………
二時、病人を小池さんに頼んで二階に上る。日記をつけてから五時まで眠る。病室へ下りて来てみると、敏子が来ている。五時半、夕食前三十分に今日もルミナールを射す。薬が利いて来るのは四五時間後であるから、当分毎日この時刻に睡眠剤を射して夜間の安眠を謀った方がよいであろうという、児玉さんの意見があったからである。