Japanische Klassiker mit Furigana
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かぎ
鍵
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 鍵 (かぎ) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.182 Zeichen · 200 Bildschirme
そこで彼女は二階の書棚を探って見つけ出す。次にそれを病室へ持参して病人に見せる。あるいは読んで聞かせる。次に二階へ持って上って元の場所に収めて来る。小池さんが戻って来る。病人が再び安眠を装う。五時過ぎ、私が帰って来る。―――と、こういう風になるのであるが、これだけのことが私の外出中の二三時間に、こうすらすらと運ぶということは、ちょっと普通には考えられない。そこで、思い出したのは、私はこの前の日曜(四月二十四日)にも、敏子にすすめられて午後に外出したのであった。とすると、敏子のこの仕事は、多分あの日曜日から取りかかっていたのではないか。すでに病人は二十三日の土曜の朝、私と二人きりでいる時に、「にーき、にーき」と口走って、私の日記を読みたがっている意を明らかにした。それなら、二十四日の午後、私がいなくなった留守に、敏子と小池さんのいる前(その時も小池さんは銭湯へ行っていたのかも知れないが、婆やは確かな記憶がないと云う)でも、同じ言葉を口走らなかったと誰が云えよう。病人は、私に訴えても取り合ってくれないので、敏子に訴えた。―――それは最も有り得ることだと云わなければならない。