Japanische Klassiker mit Furigana
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うし
鎧櫃の血
岡本 綺堂
Lesen Sie 鎧櫃の血 (うし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.702 Zeichen · 99 Bildschirme
その上に詮議の仕様もないので捕り方は舌打ちしながら引揚げた。
ここまで話して来て、梶田さんは私たちの顔をみまわした。
「弥三郎はどうなったと思います。」
「鯉の腹に隠れているとは、捕り方もさすがに気がつかなかったんですね。」と、わたしは言った。
「気がつかずに帰った。」と、梶田さんはうなずいた。「そこでまずほっとして、小兵衛と文字友はかの鯉を引っ張り出してみると、弥三郎は鯉の腹のなかで冷たくなっていた。」
「死んだんですか。」
「死んでしまった。金巾の鯉の腹へ窮屈に押込まれて、又その上へ縮緬やら紙やらの鯉をたくさん積まれたので窒息したのかも知れない。しかも弥三郎を呑んだような鯉は、ぎっしりと弥三郎のからだを絞めつけていて、どうしても離れない。結局ずたずたに引破って、どうにかこうにか死骸を取出して、いろいろ介抱してみたが、もう取返しは付かない。それでもまだ未練があるので、文字友は近所の医者を呼んで来たが、やはり手当の仕様はないと見放された。水で死んだ人を魚腹に葬られるというが、この弥三郎は玩具屋の店で吹流しの魚腹に葬られたわけで、こんな死に方はまあ珍しい。
龍宝寺のあるところは今日の浅草栄久町で、同町内に同名の寺が二つある。