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Japanische Klassiker mit Furigana

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うし

鎧櫃の血

岡本 綺堂

Lesen Sie 鎧櫃の血 (うし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.702 Zeichen · 99 Bildschirme

Aozora Bunko

「あの義助と大変に仲がよかったようで……。」

「まあ。」

お此はあきれたように、再び溜息をついた。それを笑うように、どこかで枝蛙のからからと鳴く声がきこえた。

三

きょうの鼠の一件がお此の口から夫に訴えられたのは言うまでもない。しかも七兵衛は半信半疑であった。一家の主人で分別盛りの七兵衛は、単にそれだけの出来事で、その怪談を一途に信じるわけにいかなかった。

お此はその以来、お元の行動に注意するは勿論、お国にもひそかに言い含めて、絶えず探索の眼をそそがせていたが、店の奉公人や女中たちのあいだには、別に怪しい噂も伝わっていないらしかった。

「義助さんと仲よくしているような様子もありません。」と、お国は言った。

七兵衛にとっては、このほうが大問題であった。梅次郎を婿にと思い設けている矢先に、娘と店の者とが何かの関係を生じては、その始末に困るのは見え透いている。さりとて取留めた証拠もなしに、多年無事に勤めている奉公人、殊に先ごろは自分の供をして長い道中をつづけて来た義助を無造作に放逐することも出来ないので、ただ無言のうちにかれらを監視するのほかはなかった。