Japanische Klassiker mit Furigana
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ながさきのいんしょう
長崎の印象
宮本 百合子
Lesen Sie 長崎の印象 (ながさきのいんしょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.996 Zeichen · 28 Bildschirme
私共は自分の背中を、あることは明に知っているが、他人の容貌ほど対象として意識し難いように、長崎の穏やかな市民は、第三者が当然爾あるべしと予想するだけ充分史価を客観し難いのではあるまいか。
軈て、書庫に導かれた。窓際の硝子蓋の裡に天正十五年の禁教令出島和蘭屋敷の絵巻物、対支貿易に使用された信牌、航海図、切支丹ころびに関する書類、有名なフェートン号の航海日誌、ミッション・プレス等。左の硝子箱に、シーボルト着用の金モウル附礼服が一着飾ってある。小さい陶器のマリア観音、踏絵、こんたすの類もある。ミッション・プレス、その他切支丹関係の書類は、歴史的に興味深いばかりでなく、芥川氏が数篇の小説中に巧に活用し、その芸術的効果を高めているような一種独特な用語、文体で書かれているため、文学的な面白さも充分ある。「あるじぜすきりしと」「びるぜんまりや」「あんじよ」「はらいそ」「いんへるの」古めかしい平仮名で懇に書かれたそれ等の文句には、微に詩情を動かすものさえある。けれども、私がたんのうする迄いるには、案内役に立たれた永山氏が多忙すぎる。数日の中にジャ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)に出発されるところなのだ。