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Japanische Klassiker mit Furigana

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まぶたのはは

長谷川伸傑作選 瞼の母

長谷川 伸

Lesen Sie 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) von 長谷川 伸 (はせがわしん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.753 Zeichen · 192 Bildschirme

Aozora Bunko

お前さん大食いだろうから、それじゃ足りない、これもあげるから持ってお行き。(櫛と簪を髪からとる)

茂兵衛 いいよ、いいよ、そんなに貰わないでもいいよ。

お蔦  持って行くんだよ。(扱帯に櫛簪を結びつける)

茂兵衛 へえ。

お蔦  (扱帯をたらし)さあ受取んな。何を愚図愚図してるのさ。おや厭だ、泣いてるの。

茂兵衛 わしこんな女の人にはじめて逢った。

お蔦  横綱の卵は泣きベソだねえ。早くお取り、人が見るとおかしいよ。

茂兵衛 へえ。(櫛簪を手にとる)

お蔦  (扱帯を引きあげ)もし、だれかに咎められたら、あたしに貰ったとおいい、出る処へ出て明りを立ててあげるから。

茂兵衛 姐さんは、名を何というんでしょう。

お蔦  まだいわなかったね。取手の宿の安孫子屋にいるだるまで名はお蔦、越中八尾の生れで二十四になる女だとはっきりいっておやり。

茂兵衛 へえ。(口の中で記憶するために繰返していっている)

お蔦  その代り、取り的さん、屹とだよ、立派なお角力さんになっておくれね。いいかい。そうしたら、あたし、どんな都合をしたって一度は、お前さんの土俵入りを見に行くよ。

茂兵衛 あい――あい――屹となります。