Japanische Klassiker mit Furigana
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かいかのおっと
開化の良人
Lesen Sie 開化の良人 (かいかのおっと) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.438 Zeichen · 32 Bildschirme
私『どうも虫が好かないのだから仕方がない。あれがまた君の細君の従弟だとは不思議だな。』三浦『不思議――だと云うと?』私『何。あんまり人間の種類が違いすぎるからさ。』三浦はしばらくの間黙って、もう夕暮の光が漂っている大川の水面をじっと眺めていましたが、やがて『どうだろう。その中に一つ釣にでも出かけて見ては。』と、何の取つきもない事を云い出しました。が、私は何よりもあの細君の従弟から、話題の離れるのが嬉しかったので、『よかろう。釣なら僕は外交より自信がある。』と、急に元気よく答えますと、三浦も始めて微笑しながら、『外交よりか、じゃ僕は――そうさな、先ず愛よりは自信があるかも知れない。』私『すると君の細君以上の獲物がありそうだと云う事になるが。』三浦『そうしたらまた君に羨んで貰うから好いじゃないか。』私はこう云う三浦の言の底に、何か針の如く私の耳を刺すものがあるのに気がつきました。が、夕暗の中に透して見ると、彼は相不変冷な表情を浮べたまま、仏蘭西窓の外の水の光を根気よく眺めているのです。私『ところで釣にはいつ出かけよう。』三浦『いつでも君の都合の好い時にしてくれ給え。