Japanische Klassiker mit Furigana
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かのように
阿部一族・舞姫
Lesen Sie 阿部一族・舞姫 (かのように) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.875 Zeichen · 141 Bildschirme
鶏を飼うという事実に、この女が怒るという事実が附帯して来るのは、格別驚くべきわけでもない。なんにしろ、あの垣の上に妙な首が載っていて、その首が何の遠慮もなく表情筋を伸縮させて、雄弁を揮っている処は面白い。東京にいた時、光線の反射を利用して、卓の上に載せた首が物を言うように思わせる見世物を見たことがあった。あれは見世物師が余り pr※(アキュートアクセント付きE小文字)tentieux であったので、こっちの反感を起して面白くなかった。あれよりは此方が余程面白い。石田はこんなことを思っている。
垣の上の女は雄弁家ではある。しかしいかなる雄弁家も一の論題に就いてしゃべり得る論旨には限がある。垣の上の女もとうとう思想が涸渇した。察するに、彼は思想の涸渇を感ずると共に失望の念を作すことを禁じ得なかったであろう。彼は経験上こんな雄弁を弄する度に、誰か相手になってくれる。少くも一言くらい何とか言ってくれる。そうすれば、水の流が石に触れて激するように、弁論に張合が出て来る。相手も雄弁を弄することになれば、旗鼓相当って、彼の心が飽き足るであろう。彼は石田のような相手には始て出逢ったろう。