Japanische Klassiker mit Furigana
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かのように
阿部一族・舞姫
Lesen Sie 阿部一族・舞姫 (かのように) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.875 Zeichen · 141 Bildschirme
」
中野は石田より早く卒業した士官である。今は石田と同じ歩兵少佐で、大隊長をしている。少し太り過ぎている男で、性質から言えば老実家である。馬をひどく可哀がる。中野は話を続けた。
「君に逢ったら、いつか言って置こうと思ったが、ここには大きな溝に石を並べて蓋をした処があるがなあ。」
「あの馬借に往く通だろう。」
「あれだ。魚町だ。あの上を馬で歩いちゃあいかんぜ。馬は人間とは目方が違うからなあ。」
「うむ。そうかも知れない。ちっとも気が附かなかった。」
こんな話をして常磐橋に掛かった。中野が何か思い出したという様子で、歩度を緩めてこう云った。
「おう。それからも一つ君に話しておきたいことがあった。馬鹿な事だがなあ。」
「何だい。僕はまだ来たばかりで、なんにも知らないんだから、どしどし注意を与えてくれ給え。」
「実は僕の内の縁がわからは、君の内の門が見えるので、妻の奴が妙な事を発見したというのだ。」
「はてな。」
「君が毎日出勤すると、あの門から婆あさんが風炉敷包を持って出て行くというのだ。ところが一昨日だったかと思う、その包が非常に大きいというので、妻がひどく心配していたよ。