Japanische Klassiker mit Furigana
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かのように
阿部一族・舞姫
Lesen Sie 阿部一族・舞姫 (かのように) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.875 Zeichen · 141 Bildschirme
木の枝は硝子で包んだようになっています。ベルリンのウンテル・デン・リンデンと云う大通りの人道が、少し凸凹のある鏡のようになっていて、滑って歩くことが出来ないので、人足が沙を入れた籠を腋に抱えて、蒔いて歩いています。そう云う時が一番寒いのですが、それでもロシアのように、町を歩いていて鼻が腐るような事はありません。煖炉のない家もないし、毛皮を著ない人もない位ですから、寒さが体には徹えません。こちらでは夏座敷に住んで、夏の支度をして、寒がっているようなものですね。」秀麿はこんな話をした。
桜の咲く春も過ぎた。お母あ様に桜の事を問われて、秀麿は云った。「ドイツのような寒い国では、春が一どきに来て、どの花も一しょに咲きます。美しい五月と云う詞があります。桜の花もないことはありませんが、あっちの人は桜と云う木は桜ん坊のなる木だとばかり思っていますから、花見はいたしません。ベルリンから半道ばかりの、ストララウと云う村に、スプレエ川の岸で、桜の沢山植えてある所があります。そこへ日本から行っている学生が揃って、花見に行ったことがありましたよ。絨緞を織る工場の女工なんぞが通り掛かって、あの人達は木の下で何をしているのだろうと云って、驚いて見ていました。