Japanische Klassiker mit Furigana
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いんじゅう
陰獣
江戸川 乱歩
Lesen Sie 陰獣 (いんじゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.968 Zeichen · 131 Bildschirme
地面を倹約する為に、塀は石崖のはずれに立ててあるのです。水面から塀の上部までは約二間、塀の上部から二階の窓までは一間程あります。そこで、六郎氏が軒蛇腹(それは巾が非常に細いのです)から足を踏みはずして転落したとしますと、余程運がよくて、塀の内側へ(そこは人一人やっと通れる位の細い空地です)落ちることも不可能ではありませんが、そうでなければ、一度塀の上部にぶっつかって、そのまま、外の大川へ墜落する外はないのです。そして、六郎氏の場合は無論後者だったのであります。
私は最初、隅田川の流れというものに思い当った時から、死体が投込まれた現場に止っていたと考えるよりは、上流から漂って来たと解釈する方が、より自然だとは気づいていました。そして、小山田家の洋館の外はすぐ隅田川であり、そこは吾妻橋よりも上流に当ることをも知っていました。それ故、若しかしたら、六郎氏がそこの窓から落ちたのではないかと、考えたことは考えたのですが、彼の死因が水死ではなくて、背中の突傷だったものですから、私は長い間迷わなければなりませんでした。
ところが、ある日、私はふと甞つて読んだ南波杢三郎氏著「最新犯罪捜査法」