Japanische Klassiker mit Furigana
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すずめのみやものがたり
雀の宮物語
田中 貢太郎
Lesen Sie 雀の宮物語 (すずめのみやものがたり) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.886 Zeichen · 4 Bildschirme
東北本線の汽車に乗って宇都宮を通過する者は、宇都宮の手前に雀の宮と云う停車場のあるのを見るであろう。私は其の雀の宮へ下車したことがないから実物を見たことはないが、東国旅行談の云うところによると、其処に雀を祭った雀大明神の宮があって、土地の名もそれから起ったらしい。
何時の比のことであったか其の村に相撲が好きで、餅や饅頭の類を一嚥みにするのを自慢にする百姓があった。名は何んと云ったか判らないが、相撲が好きで餅や饅頭を一嚥みにするのを自慢にするような男であるから、何人でも直ぐ無智な好人物を連想する。
実際其の百姓は好人物で女房の好奇的な性癖を満たしてやることができなかったから、女房は他の男によって其の満足を得るようになり、それがこうじて所天が厭わしくなって来た。
「あれを何うかする工風はないの」
と、某夜女が男の耳に囁くと、男は神経的に輝く女の眼を見返した。
「そうだな、無いこともないが」
「あるなら云ってごらんよ、何うするの、毒でも盛るのかい」
「毒じゃ直ぐ露見るから、針を呑まして腸を毀しっちまやいいじゃないか」
「それを何うして呑ますの」
「お前さんは、餅や饅頭を、一嚥みにする人を知ってるかい」