Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
エス・オー・エス・ボーイ
難船小僧
夢野 久作
Lesen Sie 難船小僧 (エス・オー・エス・ボーイ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.169 Zeichen · 43 Bildschirme
同時に片目を半分ほど細くして、唇の片隅を上の方へ歪めた。これがこの船長の笑い顔なんだが、知らない人間が見たらとても笑い顔とは思えない。単なる渋紙の痙攣としか見えないだろう。
「郵船名物のS・O・S・BOYだろう」
と船長が嗄れた声でプッスリと云った。同時に眉の間と頬ペタの頸筋近くに、新しい皴が二三本ギューと寄った。冷笑しているのだ。
「エヘッ、知ってるんですか。貴方も……」
「ムフムフ……」
と船長が笑いかけて煙草に噎せた。船橋から高らかに唾液を吐いた。
「ムフムフ、知らんじゃったがね。皆、そう云うとる」
「皆って誰がですか。どんな連中が……」
「船中で云うとるらしい。水夫の兼の野郎が代表で談判に来た。ツイ今じゃった」
「ヘエエ……何と云って」
「下さなければあの小僧をたたき殺すが宜えかチウてな。胸の処の生首の刺青をまくって見せよった。ムフムフ」
「ヘエ。それで……下さないんですか」
船長が片目を静かに閉じたり開いたりした。それからネービー・カットの煙を私の顔の真正面に吹き付けた。
「……迷信だよ……」
「それあそうでしょうけどね。迷信は迷信でしょうけどね」
「ムフムフ。