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Japanische Klassiker mit Furigana

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あめあがる

雨あがる

山本 周五郎

Lesen Sie 雨あがる (あめあがる) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.794 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

そしていそいでそこを去った。

釣り竿も魚籠も元の処にあった。もう釣りをする気にもなれないので、それらを拾いあげると、がっかりしたような気持で帰途についた。

「はたし合いだなんて、危ないことをするものだ」

歩きながら彼は呟いた。

「親兄弟、妻子のいる者もあるだろうに、つまらない意地とか、武士の面目とかいうことでしょう、……しかし失敗だったですなあ、頭の上へ刀を五本、両手でさし上げて、あやまりながら逃げまわったというのは、われながらあさましい、しかもそれを見られたのだから、うっ」

伊兵衛は首を縮めて呻いた。

宿へ帰ったが、する事がなかった。あきない用の玩具も余るほど作ってあるし、もっと作るにしても材料を買う銭が(宿賃があるので)心配だった。深酒をした翌日で、しきりに飲みたい誘惑もある、しようがないので、朝昼兼帯の食事をして寝てしまった。

眠りのなかで彼はすばらしい夢をみた。どこかの藩主が家来を大勢伴れて来て、ぜひとも召抱えたいというのである。

――また気まずいことになりますから。

と彼は辞退した。藩主はぜひぜひと譲らず、食禄は千石だすと云った。千石となると話はべつである。