Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あまよぞうし

雨夜草紙

田中 貢太郎

Lesen Sie 雨夜草紙 (あまよぞうし) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.029 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

ようになったが、それでも細君に対する疑惑は薄らがなかったさ、それから五六日して、夕方芝口を散歩していると、背後から一台の自動車が来たが、ふと見ると、それには深ぶかと青い窓掛を垂れてあった、それが奴さんを追越そうとしたところで、中からちょっと窓掛を捲いて、白い顔を出した女があった、それが細君さ、細君はその日三時から本郷の公爵家で催す音楽会へ往っている筈である、おかしいぞと思って、内を透かすと、男の隻頬が見えた、それは父親の顔であった、奴さんの眼前はまた暗んだのさ、

(怪しからん、怪しからん)

奴さん自暴自棄になって、もと往ったことのある烏森の待合へ往って、女を対手にして酒を飲んでいたが、それも面白くないので、十二時比になって自宅へ帰ったさ、

(今日は大変面白うございましたよ)

と、奴さんを待っていた細君が悦しそうな顔をして云うのを、何も云わずに睨みつけたさ、細君はその凄い眼の光を見て、どうしたことが出来たのかと思って、口をつぐんではらはらとして立ったのだ、僕はその時、細君の横手になった大きな姿見の中へ顔を出していたが、二人とも見なかった