Japanische Klassiker mit Furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lesen Sie 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.414 Zeichen · 289 Bildschirme
なった時には母のすすめるのを待たず進んで岸山先生の診察を受けた。
或晩竜子は母と一緒に有楽座へ長唄研精会の演奏を聞きに行った時廊下の人込の中で岸山先生を見掛けた。岸山先生は始めて診察に来た時の無愛想な態度とはちがって鄭寧に挨拶をした。それから暫くたってやはり母と一緒に帝国劇場へ行った時また岸山先生に出会った。そして誘われるままに紅茶を飲んだ。竜子は帰りの電車の中で岸山先生が長唄を習っているということを母から聞いた。
母子は毎年八月になると鎌倉か逗子かへ二、三週間避暑に行く。竜子が十五になった時の秋、東京にコレラが流行して学校は九月末まで休みとなった所から、母子は一度東京へ帰ってまた鎌倉へ引返した事があった。滞在中に二度ほど岸山先生が見えた。二度とも鎌倉のある病家へ往診に来たついでだという事であった。二度目の時竜子は母と先生と三人して海水を浴びに行った。晩食をも一緒にすましてから先生は最終列車で東京へ帰る。それをば母子は涼みながら停車場まで送って行った。
次の年、竜子はもう十六である。去年と同じように鎌倉に避暑していた時竜子は毎日母と二人ぎり差向いのたいくつさに、今年も岸山先生が遊びに来て下さればよいのにと言ったが、母は笑ったばかりで何ともいわなかったので、次の日竜子は「わたし先生に手紙を上げて見ましょう