Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lesen Sie 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.414 Zeichen · 289 Bildschirme
「誰だって毎年年はとるにきまっているからな。」と男は俄に申訳らしく、「まアいいやな、こうして暮して行けれァ何も愚痴を言う事はない。別に大した望みがあるじゃなし……なアお千代、おれは全くこうして暮していられれば結構だと思っているんだ。」
「それはそうよ。だけどこうして暮して行けるのも永いことはないわよ。もう……。」
「もう。どうして。」
「どうしてッて。わたしとあんたとはいくらも年がちがわないんだもの。わたしの方じゃ稼ぐつもりでもお客の方が……。」と言いながら女は物干台の人影に心づいて急に声をひそめる。男は夜具から這出して、
「そうなれば、おれも男だ。お前にばかり寄ッかかっていやしない。お前はおれの事を意気地なしだ――それァあんまり意気地のある方でもないから何と思われても仕様がないが、おれだって行末の事を考えずにこうしてぶらぶらしているんじゃない。年を取ってから先の事はいつでも考えている。だから、お前の稼ぎは今までだって一厘一銭だって無駄遣いをした事はないだろう。それァお前もよく知っているはずだ。なアお千代。」
囁くような小声ながらも一語一語念を押すように力を入れ、ぴったり後から寄添っていつか手をも握りながら、「お前、もうおれがいやになったのか。