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Japanische Klassiker mit Furigana

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あめしょうしょう

雨瀟瀟・雪解 他七篇

永井 荷風

Lesen Sie 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.414 Zeichen · 289 Bildschirme

Aozora Bunko

男はお千代が今年三十六になってなおこのような強い魅惑を持っているのを確めると、まだこの先四、五年稼いで行けない事はないと、何となく心丈夫な気もする。それと共に人間もこうまで卑劣になったらもうおしまいだと、日頃は閑卻している慚愧と絶望の念が動き初めるにつれて、自分は一体どうしてここまで堕落する事ができたものかと、我ながら不思議な心持にもなって来る。自分の事のみならずお千代の心境もまた同じように不思議に思われて、はっきり理解することが出来なくなる。――お千代はどういう心持でこの年月自分のような不甲斐ない男と一緒に暮して来たのであろう。彼女自身も気のつかぬ中いつからという事もなく私娼の生活に馴らされて耻ずべき事をも耻とは思わぬようになったものであろう。折々は反省して他の職業に転じようと思う事もあるにちがいない。しかしもともと小学校を出ただけの学歴では事務員や店員のような就職口さえなかなか見当らず、よしまた見当ったところで、一度秘密の商売を知った身には安い給料がいかにも馬鹿らしく思われ、世間は広くてもその身に適する職業は、やはり馴れた賤業の外にはないような心になるのであろう。