Japanische Klassiker mit Furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lesen Sie 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.414 Zeichen · 289 Bildschirme
」
障子の外では小女が縁側の雨戸を繰りはじめた。
「いや結構だ。うまいよ。」と重吉は落し玉子の吸物を一息に半分ほど飲み干した。葬式の前後三、四日の間ゆっくり飯を食う暇もなかったので、今になってから一時に空腹を覚え初めて、実は物の味もよくは分らないのであった。派出婦は褒められていよいよ嬉しそうに、
「沢山召上って置かないといけません。後で一度にお疲労が出ますから。」
「お千代さんだッけね、名前は。お千代さんも御弔いをした経験があるらしいね。」
「いいえ。自分の家では御在ませんけれど、方々へ出張いたしますから。」
「長くやっているのかね。」
「まだいくらにもなりません。地震前は前からなんで御在ますけれど、姑く休んで、先月からまた出始めましたんです。」
「震災には無事だったのかね。父さんやお母さんは……。」
「ええ。家は市外の……田舎ですから。」
「まだ結婚したことはないのか。どうもありそうに見えるよ。」
「そう見えますか。ほほほほほ。」
「結婚してもうまく行かなかったのかね。」
「ええ、もう懲り懲りしましたわ。それよりか人様のお内に働いている方が気楽で能う御在ます。」
「しかしそういつまで人の家に働いていたって仕様がないじゃないか。