Japanische Klassiker mit Furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lesen Sie 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.414 Zeichen · 289 Bildschirme
その後保険会社の勧誘員になっている五十年輩の男を訪問した時、その男は雑談の末にこんな事を言った。
「君は僕なんぞとちがって、まだいいさ。君の細君は若いし美人だからな。まさかの時にはどうかしてくれらアね。」
「こう落ちぶれたら、見得も糸瓜もかまっちゃアいられないからね。実は女給か何かにしたいと思っているんだがね。僕から言出しちゃチトまずいからな。」と重吉は答えた。
「何がまずいものか。世間はいろいろだよ。極端な例をいうと、女房に檀那取りをさせている男さえあるからな。土地会社の時分外交員に野島という丈の高い出歯の男がいたろう。あの男の細君は或株屋の店の事務員になっていたんだが、その店の主人と関係をつけたんだ。それを野島は見て見ない振りをしていたおかげで、とうとう人形町にカフェーを出さしてもらった。」
「そうか。ちっとも知らなかった。よくある話だが、一体そういう事はどうして起るものだろう。最初男が暗に教唆するのか、それとも女が勝手にやり出してから、男の方がそれを黙許するんだろうか。」
「外の事とちがうからな。教ったり勧められたりしたんじゃ、巧く行かねえだろう。