Japanische Klassiker mit Furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lesen Sie 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.414 Zeichen · 289 Bildschirme
と主人が中音。さては浮橋縫之助互に「顔と顔とを見合せて一度にわつと」嘆きさえすれば後は早間に追込んで「鳥辺山」の一段はすぐさま語り終られると知るものから、わたしは無遠慮に格子戸明けて中座させるも心なき業と丁度目についた玄関の庇に秋の蜘蛛一匹頻に網をかけているさまを眺めながら佇立んでいた。
「いや君実に馬鹿々々しい話さ。活弁に血道を上げるとは実にお話にならない。あれは全く僕の眼鏡ちがいだった。活弁の一件がないにしてもあの女は行末望みがないようだ。芸者をしている時分芸事には見込があるように思われたのはつまり非常に勝気な女で何事によらず人にまける事が嫌いだからそれで自然稽古にも精を出したものらしい。だから商売をやめたとなると競争する張合がない。一月二月とたつ中三味線の稽古はわたしへの義理一方という事になった。初めはわたしもいろいろ小言をいった。生れつき質のわるい方ではないのだから今の中みっしりやって置けといい聞かしても当人には自分の天分もわからず従って芸事の面白味も一向に感じないらしい。たとえば用がなくて退屈だという時何という気もなく手近の三味線を取上げて忘れた手でも思出して見ようという気にはならないらしい。