Japanische Klassiker mit Furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lesen Sie 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.414 Zeichen · 289 Bildschirme
……篇中の主人公がヴニズの骨董店で買取った秘蔵の人形は留守中物置の中に投込まれていたが折から照り渡る月の光に動き出して話をしだす。感情の興奮している主人公は夢とも現ともわけが分らなくなって遂にはどうやら自分ながらも日頃周囲のもののいっていたように真の狂人であるが如き心持になってしまう――というのがこの小説の結末であった。
蚊帳の外に手を延ばして燈火を消した時遠く鐘の音が聞えた。数えると二時らしかった。秋の夜ごとにふけ行く夜半過わけて雨のやんだ後とて庭一面の声をかぎりと鳴きしきるのにわたしは眠つかれぬままそれからそれといろいろの事を考えた。一刻も早く眠りたいと思いながらわけもなく思いに耽る思いである。あくる日起きてしまえば何を考えたのやら一向に思い出す事の出来ない取留めのない思いである。
その後わたしは年々暑さ寒さにつけて病をいたわる事のみにいそがしく再び三味線のけいこをするような気にもならずまた強て著作の興を呼ぶ気にもならなくなった。生きがいもなき身と折々は憂傷悲憤に堪えなかったその思いさえも年と共に次第に失せ行くようである。たまたま思当るのはフェルナン・グレイが詩に、