Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきたたき
雪たたき
幸田 露伴
Lesen Sie 雪たたき (ゆきたたき) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.132 Zeichen · 56 Bildschirme
此家の主人の処世の老練と、観照の周密と、洞察力の鋭敏とは、一切を識破して、そして其力を用いて、将に発せんとする不幸の決潰を阻止せんとするのである。しかも其の中でも老主人は人の心を攬ることを忘れはし無かった。
「分った。言う通りにして計らってやる。それにしてもそちは見上げた器量じゃ。過ちは時の魔というものだ、免してやる。口も能く利ける、気立も好い、感心に忠義ごころも厚い。行末は必ず好い男を見立てて出世させて遣る。」
と附足して、やさしい眼で女を見遣った時は、前の福々爺になっていた。女はただ頭を下げて無言に恩を謝するのみであった。
「ただナ、惜いことは其時そちが今一ト働きして呉れていたら十二分だったものを。其様に深くは、望む方が無理じゃが。あれも其処までは気が廻らなかったろうか。」
「ト仰ありまするのは。」
「イヤサ、少し調べれば直に分ることだから好いようなものの、此方は何の何某というものの家と、其男めには悟られて了って居ながら、其男めを此方では、何処の何という者と、大よその見当ぐらいも着かぬままに済ませたは、分が悪かったからナ。」
と余談的に云うと、女は急に頭を上げて勇気に充ちた面持で、小声ではあるが、