Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきしろやまめ
雪代山女魚
佐藤 垢石
Lesen Sie 雪代山女魚 (ゆきしろやまめ) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.297 Zeichen · 19 Bildschirme
秋川も、一両年後に釣り尽くされるであろう。禁漁中の二月から、釣り人が入り込んで、まだ産卵後の、体力の回復しない黒く錆びた肌の山女魚を五十、百と毎日釣ってきた人もある。何とかこのさい取り締まりを厳重にしないと、多摩川筋の山女魚は絶滅してしまうかも知れない。近年は大量的に虹鱒と川鱒の放流を行なっている。だが、日本独特の山女魚が多摩川から姿を消していこうとするのは、まことに悲しむべき事実である。
甲州へ入ると、山女魚と岩魚が多い。甲武信ヶ岳の密林から出てくる笛吹川、甲斐駒の肩に源を持つ釜無川、金峰山の本谷川、御岳昇仙峡の荒川など、何れも釣り人憧憬の渓である。ところが甲州と信州の人々は、渓に毒を流して魚をとる悪い癖を持っている。先年富士見に別荘を持っている小川平吉氏が、釜無川に毒を投げ込み山女魚と岩魚を四斗樽に二、三杯もとったという噂があったが、もしほんとうであったら、もってのほかだ。
笛吹川と釜無川は鰍沢で合して富士川となり、俄然大河の相を備えて岩に砕け、滔々の響きを天に鳴らして東海道岩淵まで奔下し太平洋へ注いでいるが、その途中の山から出てくる幾筋もの支流では、関西系の美しい山女魚がいくらでも釣れる。