Japanische Klassiker mit Furigana
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せつれいきじ
雪霊記事
泉 鏡花
Lesen Sie 雪霊記事 (せつれいきじ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.532 Zeichen · 14 Bildschirme
、幾度か逡巡した最後に、旅館をふらふらとなって、とうとう恩人を訪ねに出ました。
わざと途中、余所で聞いて、虎杖村に憧憬れ行く。……
道は鎮守がめあてでした。
白い、静な、曇った日に、山吹も色が浅い、小流に、苔蒸した石の橋が架って、その奥に大きくはありませんが深く神寂びた社があって、大木の杉がすらすらと杉なりに並んでいます。入口の石の鳥居の左に、とりわけ暗く聳えた杉の下に、形はつい通りでありますが、雪難之碑と刻んだ、一基の石碑が見えました。
雪の難――荷担夫、郵便配達の人たち、その昔は数多の旅客も――これからさしかかって越えようとする峠路で、しばしば命を殞したのでありますから、いずれその霊を祭ったのであろう、と大空の雲、重る山、続く巓、聳ゆる峰を見るにつけて、凄じき大濤の雪の風情を思いながら、旅の心も身に沁みて通過ぎました。
畷道少しばかり、菜種の畦を入った処に、志す庵が見えました。侘しい一軒家の平屋ですが、門のかかりに何となく、むかしの状を偲ばせます、萱葺の屋根ではありません。
伸上る背戸に、柳が霞んで、ここにも細流に山吹の影の映るのが、絵に描いた蛍の光を幻に見るようでありました。