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Japanische Klassiker mit Furigana

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らいほうとうものがたり

雷峯塔物語

田中 貢太郎

Lesen Sie 雷峯塔物語 (らいほうとうものがたり) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.606 Zeichen · 45 Bildschirme

Aozora Bunko

許宣は腹の裏を見透かされるように思って長い間探していたとは言えなかった。彼はそうして小婢に伴れられて歩いた。

大きな楼房があって高い牆を四方に廻らしていた。小婢はその前へ往ってちょっと足を止めて許宣の顔を見た。

「ここですわ」

許宣はこんな大きな家に住んでいる人が何故判らなかったろうと思って不審した。彼はそのまま小婢に随いてそこの門を潜った。

二人は家の内へ入って中堂の口に立った。

「奥様、昨日御厄介になった方が、いらっしゃいました」

小婢が内へ向いて言った。すると内から白娘子の声がした。

「そう、では、此方へね、さあ、あなた、どうかお入りくださいまし」

白娘子の詞に随いて小婢が言った。

「さあ、どうかお入りくださいまし」

許宣はきまりがわるいので躊躇していた。小婢が追いたてるように促した。

「奥様もあんなにおっしゃってますから、どうぞ」

許宣はそこで心を定めて入った。室の両側は四扇の隔子になって、一方の狭い入口には青い布の簾がさがっていた。小婢は白娘子に知らすためであろう、その簾を片手で掲げて次の室へ往った。許宣はそこに立って室の容子を見た。中央の卓の上に置いた虎鬚菖蒲の鉢がまず女の室らしい感じを与えた。