Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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らいほうとうものがたり

雷峯塔物語

田中 貢太郎

Lesen Sie 雷峯塔物語 (らいほうとうものがたり) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.606 Zeichen · 45 Bildschirme

Aozora Bunko

京口瓜州一水の間、前岸瓜州の楊柳は青々として見えた。

許宣は金山寺へあがって竜王堂へ往き、そこで焼香をすまして、彼方此方を歩いているうちに、多くの参詣人が和尚の説経を聞いている処へ往った。許宣はここが白娘子の往ってはいけないと言った方丈だと思った。彼は急いで方丈の中を出て往った。許宣の引返そうとする顔を説経していた和尚がちらと見た。

「あの眼に妖気がある、あれを呼べ」

侍者の一人が呼びに往ったが、許宣はもう山をおりかけていたので聞えなかった。すると和尚はいきなり禅杖を持ってたちあがるなり、許宣を追っかけて往った。

山の麓では大風が起って波が出たので、参詣人は舟に乗ることができずに困っていた。山をおりた許宣もその人びとに交って岸に立って風の静まるのを待っていた。と、一艘の小舟がその風の中を平気で乗切ってきて陸へ著けかけた。許宣は神業のような舟だと思って、ふいと見ると、その中に白娘子と小婢の二人が顔を見せていた。その白娘子と許宣の眼が合った。

「あなた、早くお乗りなさい、風が吹きだしたから、あなたを迎えにきたのです」

舟は同時に陸へ著いた。許宣は喜んで水際へおりた。