Japanische Klassiker mit Furigana
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でんきぶろのかいしじけん
電気風呂の怪死事件
海野 十三
Lesen Sie 電気風呂の怪死事件 (でんきぶろのかいしじけん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.788 Zeichen · 34 Bildschirme
「由蔵どうしたんだ、いったい?」
主人はこの椿事に対して何等見当がつかないので、むしょうに怒りっぽく由蔵をきめつけようとした。
「どうもこうもねえ、感電で客が一人この湯ん中へ沈んじまったんだ。早く救け出さにゃ死んでしまわあな!」と職人風の一人が叫んだ。
「え、感電? そら大変だ、由蔵入れ!」
主人は仰山に驚いて、顎で由蔵へ命令した。が、由蔵はと見ると、只もうおろおろとしながらも、何か気になるらしく、一向湯槽へ飛び込む勇気を持とうともせず、縁へ掴まったまま、左右を見廻したり、肩を振ったりして埓が明かなかった。
「ええ、意気地なし!」
むっとした語調で云い捨てるなり、学生風の男は人を待たずに飛び込んだ。続いて石鹸だらけの肉体を跳らせて、ザブンと荒々しく足を踏み入れた職人風の二人。彼等はもう必然的の労働の様に、妙に亢揚した息使いで各々足の先で湯の中を探って廻った。泥沼に陥没しかかった旅人のように、無暗矢鱈に藻掻き廻るその裸形の男三人、時に赤鬼があばれるように、時にまた海坊主がのたうち廻るような幻妖なポオズ――だが、それも極めて短い瞬間の印象でなければならぬ。