Japanische Klassiker mit Furigana
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れいかん
霊感
豊島 与志雄
Lesen Sie 霊感 (れいかん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.268 Zeichen · 31 Bildschirme
八百万の神たちを念じておいて、それから次に、塩を撒きながら、「心身清浄の祓」を唱えました。
とほかみゑみため、はらひたまひきよめたまふ。
かがみのごとくあきらかに、つるぎのごとくいさぎよく、たまのごとくうるはしく、せいしこんげんはつようなさしめたまへ……
唱え終って、彼女はふっと眼をつぶりました。青空が余りに高く、陽光が余りに冴えてる、と感じただけで、わが身も心もなく、なにか次元の異った境地でした。一瞬、はっと気がつくと、彼女は小泉さんから片脇を支えられていました。その小泉さんを突きのけるようにして、足を踏みしめ、拍手を打ちました。頬は蒼白で、ほとんど血の気を失っていました。それでも、彼女はもうしっかりした態度で、女将さんの方に向き直り、後の始末のことなど注意を与えました。
それから座敷に戻って、お茶を飲んだだけで、この前と同様、昼食を辞退して、帰ってゆきました。
表の街路に出ると、小泉さんは囁くように言いました。
「無理なことお願いして、ほんとに済みませんでした。」
「いいえ、おかげでいい気持ちでした。」
A女は頬笑んで、空の遠くへ眼をやりました。
松しまでは、すぐに、稲荷の祠の建設に着手しまして、石の土台を築きあげ、その上に、屋根に銅板を張った白木の御堂を定着させました。