Japanische Klassiker mit Furigana
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ほしみせ
露肆
泉 鏡花
Lesen Sie 露肆 (ほしみせ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.973 Zeichen · 32 Bildschirme
のを喚く。
五
その鯉口の両肱を突張り、手尖を八ツ口へ突込んで、頸を襟へ、もぞもぞと擦附けながら、
「小母さん、買ってくんねえ、小父的買いねえな。千六本に、おなますに、皮剥と一所に出来らあ。内が製造元だから安いんだぜ。大小あらあ。大が五銭で小が三銭だ。皮剥一ツ買ったってお前、三銭はするぜ、買っとくんねえ、あ、あ、あ、」
と引捻れた四角な口を、額まで闊と開けて、猪首を附元まで窘める、と見ると、仰状に大欠伸。余り度外れなのに、自分から吃驚して、
「はっ、」と、突掛る八ツ口の手を引張出して、握拳で口の端をポン、と蓋をする、トほっと真白な息を大きく吹出す……
いや、順に並んだ、立ったり居たり、凸凹としたどの店も、同じように息が白い。むらむらと沈んだ、燻った、その癖、師走空に澄透って、蒼白い陰気な灯の前を、ちらりちらりと冷たい魂がう姿で、耄碌頭布の皺から、押立てた古服の襟許から、汚れた襟巻の襞の中から、朦朧と顕れて、揺れる火影に入乱れる処を、ブンブンと唸って来て、大路の電車が風を立てつつ、颯と引攫って、チリチリと紫に光って消える。
とどの顔も白茶けた、影の薄い、衣服前垂の汚目ばかり火影に目立って、煤びた羅漢の、トボンとした、寂しい、濁った形が溝端にばらばらと残る。