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Japanische Klassiker mit Furigana

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あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lesen Sie 青べか物語 (あおべかものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.888 Zeichen · 317 Bildschirme

Aozora Bunko

あとで聞いたところによると、うしろで見ていた二人の同伴者も、「てっきり転ぶ」と思ったそうであるが、私はそのとき、あのこまっちゃくれの長であり、浦粕における悪童のうち、唯一人だけ私の擁護者であった長に、三十年を経たいままた、こうして背負われるということのふしぎなめぐりあわせに、心の奥深くからの感動とよろこびを味わっていたのであった。

観念していたにもかかわらず、長は無事に私を渡し、二人の同伴者をも渡した。同伴者の一人は女性で、私の原稿整理をしに来てくれる木村ふみ子君であるが、もう結婚して一年半くらいになるし、夫君のほかの男性におぶさる気持はどうであろうか、などとよけいなことが気にかかったので、私は振り向きもせずに、先へ歩いていった。――私たちは弁天社の境内へはいっていった。長は賽銭をあげ、鈴を鳴らして柏手を打った。浅草の映画館で猛獣映画に昂奮し、「ライオンも象も毛唐もみんなばかやつらだ」と憤慨し、ついで喰べたトンカツとカレー・ライスまでけなしつけた長がである。――私は彼の心情を傷つけたくないと思ったので、同じように社殿へ近よってゆき、賽銭を投じ、鈴の紐をちょっと引くと、おがむことは省いてそこを去った。