Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんのいきのあと
青春の息の痕
倉田 百三
Lesen Sie 青春の息の痕 (せいしゅんのいきのあと) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.338 Zeichen · 254 Bildschirme
私は先月の末からこの宿にうつりました。青い畑と、静かな林を後ろにして小さな牧場とが二階の欄干から眺められる小じんまりした、感じのいいところです。一燈園から七、八丁ばかり、天香さんは町へ出るたびに、下から倉田さんと声をかけて下さいます。ちょうど通り路にあたるのです。私は二階から首を出して晴れやかな親しい挨拶を交わします。私は一燈園へ毎朝通ってお経を誦し礼拝した後で、天香さんの次男の、理一郎という十五になる少年を連れてかえって英語を教えています。この少年は色の白い美しい悧溌な子で私を信じてすがります。
私はふしあわせな人々のためにできるだけ力を分かっています。それらのさまざまな物語りはあなたにお目にかかって話したらば限りなくたくさんに多様にあります。よく私は一燈園で何心なく座敷の襖をあけると、天香さんの前に奥様らしい三十女などの泣きくずれて訴えているところを見受けて、はっと心を打たれることなどございます。私は天香さんのひとりの弟子として信愛されその愛憐の仕事をたすけることを幸福に感じます。
あなたは日々仕事にいそしみ、御家庭の不調和にもたえて、愛と忍耐とをまなび、そのなかからあなた自身と周囲とをしあわせにする道を拓きつつ、努力していらっしゃるのですね。