Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんのいきのあと
青春の息の痕
倉田 百三
Lesen Sie 青春の息の痕 (せいしゅんのいきのあと) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.338 Zeichen · 254 Bildschirme
私は天香さんの日記「天華香洞の礎」というのを読ませていただき、なつ子さんの死がいかに天香さんへの打撃であったかを知って涙をこぼさせられました。多くの若い娘たちが、天香さんを慕うて来て、なつ子さんのようになくなったそうです。私は深い深いこの聖者の胸の底の悲哀の測りがたきことを感じます。ある時私は問いました。
「あなたに求めに来た人が、あなたを去る時に淋しいでしょうね」と。天香さんはよく問うてくれたというように感動した様子を帯びて答えました。「初めはずいぶん淋しかった。けれど今はそうでもない。別れる時、自らの不徳をわびて、去る人の後ろ姿を手を合わせて拝んで送っておけば、その人が行きつまった時には必ず帰ってくるものです」
私はそういう深い別れの心持ちがまたとあろうかと思って泣きたくなりました。そして、その心持ちを自己のものとするまでに、この淋しき聖者はどれほど苦しんだことでしょう。
天香さんをあなたに紹介する日の早く来らんことを祈ります。
一昨日お絹さんが突然夜更けに私を訪ねて参りました。広島の牧師に恋慕せられて、奥さんに虐げられ、いたたまらずに書置きを残して逃げてきました。