Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんのいきのあと
青春の息の痕
倉田 百三
Lesen Sie 青春の息の痕 (せいしゅんのいきのあと) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.338 Zeichen · 254 Bildschirme
私と妹と急に一時に帰ると姉が自分の病気が死に脅かされていることに気がつくことを恐れますから、妹だけ先に帰して、私は少し遅れて帰ろうと思っています。姉は今日や明日にどうというのではありませんけれど、医者も恢復の見込み立たず死期も近づいているように申されると父よりの便りでありました。私は今日まで父がも少し待てと申しますので帰省を見合わせていましたが、どうも気になりますから近く帰るつもりです。私は今は姉の万一にも恢復することをはかない頼みにいたしています。姉亡き後の嬰児や養子や家事の心配などは今考えることさえ不安になりますから、私は姉の息のある限りは、ただどうぞ癒えてくれるようにとのみ祈りつづけてほかのことは思わないつもりです。あれでも不思議に力を持ち返してくるようなことはあるまいかと、空だのみのようなことを考えています。
私の宅の、あのあなたが二十日ほどいらした裏座敷で、姉は寝床のなかでどんなことを考えているでしょう。生まれたばかりの子は乳母もなく、老いたる母はうろうろしているでしょう。お絹さんは看護に疲れているでしょう。沈痛な、父の黄いろい面が目の前に浮かびます。