Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんのいきのあと
青春の息の痕
倉田 百三
Lesen Sie 青春の息の痕 (せいしゅんのいきのあと) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.338 Zeichen · 254 Bildschirme
なにとぞ私の家を訪れたような不祥があなたの家庭に起こらぬように祈ります。私は京都を出立してよりさまざまな不幸にあいました。尾道に夜遅く着くと思いもよらぬ姉の重患にてちょうど担架にのせられて出養生するところでした。私はこの姉の病気のことは全く知らなかったので驚きました。そして叔父に容体をたずねると「この夏を過ごすのはむずかしい」と医者がいうのだそうです。叔母は私たちを見ると泣きだしました。その時私は叔父から国許の祖母もまた重患にてとても助かる見込みのないことをききました。私は恐ろしいような、何かの罰のような悲しみと恐れとを感じないではいられませんでした。尾道の姉は私の姉妹のなかでも最も美しく情深く私はひそかに誇りにしているほどなのにもしも亡くなったらどうしましょう。しかも私たちは国許の姉の病篤く尾道にて姉をいたわる暇もない身でした。翌日尾道を出発したところ、広島への途中汽車中にて妹ともはげしい腹痛が起こり広島に着いた時は吐瀉はげしくやむをえず広島の親戚に三日間苦しい、いらだたしい日を送りました。広島を出発して帰る途中は水害にて線路がこわれ兄妹は病後の疲れた足で二里も徒歩せねばなりませんでした。