Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せいしゅんのいきのあと

青春の息の痕

倉田 百三

Lesen Sie 青春の息の痕 (せいしゅんのいきのあと) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.338 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

ために時間は遅れ雨風ははげしく三次に着いた時には日も暮れてやむなくその夜は旅館にあかしました。兄妹は宿屋の淋しい燈火のそばに悲しみと疲れに黙して雨風の音を聞きつつ「今夜の嵐で橋が落ちて帰れなくならねばよいが」などと心配なことを考えていました。

翌日やっと帰宅しました。両親の悲哀を耐えた沈痛な顔を見て私も今は悲哀に身を任かしてはならないと心を強くしました。しかし姉の枕元に座した時には私は勇気を失ってしまいそうになりました。それは恐ろしいほど瘠せ衰えて死の影はもはや顔にかかっていました。姉は二人の弟妹を見て泣いて喜びました。私たちは励ます言葉もありませんでした。人間の顔はいかに醜く恐ろしくなりうるものでしょう。あの美しかった姉がこのようになろうとは想像もできませんでした。祖母も病床に臥したまま動かれず、老耄して白痴のような矛盾したことを申しますし、一家は二人の看護で秩序を失っていました。それから二十日間姉は苦み続けました。そばに見ているのは実にかわいそうで堪えられないほど苦しみました。しかし死ぬ三日前から、苦痛はほとんどなくなりました。私たちはよい兆候なのかと思ったら医者はもう二、三日の命だと宣告しました。