Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんのいきのあと
青春の息の痕
倉田 百三
Lesen Sie 青春の息の痕 (せいしゅんのいきのあと) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.338 Zeichen · 254 Bildschirme
これからは脚本や小説を書こうと思っています。「歌わぬ人」という脚本を書きました。「愛らしい鬼」というのをこれから書こうと思っています。「出家とその弟子」は正月号かあるいは二月号で終わりますからその後で、「若き罪」という長篇小説をのせようと思っています。
今夜はいい月が出ています。私の宿はずいぶん淋しくて、遠くの方を通る汽車の音より物音は聞こえません。私は窓の下でこの手紙を書き、お絹さんは私の衣物を縫うてくれています。私とお絹さんとは赦しの上に成り立つ平和の中に日を送っています。私はお絹さんの色香にも、性質にも満足してはいません。時々ずいぶん淋しくなります。しかし何事も縁と思って仲よく暮らしています。私は「出家とその弟子」の二幕目にお寺で僧たちと同行衆とがしみじみ話すところを描きましたが、そこで私は縁の話をさせました。親鸞が「たとい気に入らぬ夫婦でも縁があれば一生別れることはできないのだ。墓場に行けば何もかもわかるのではあるまいか。そして別れずに一生連れ添うたことを互いに幸福に思うだろう」というと、弟子の一人が「愛してよかった。赦してよかった。あの時呪わないでしあわせであったと思うでしょうね」